アルミニウム素材の下地処理
アルミニウム素材は剥離が起きやすい
アルミニウム素材はその特性から塗料の密着が弱く剥離が起きやすいです。 アルミニウム素材に塗装をされたことのある方は、塗装がめくれるトラブルになった経験をお持ちの方もあるのではないでしょうか。
プライマーを使う
塗装する塗料の密着を高めるためには、「アルミ素材に対応した下地処理」を行う必要があります。
「アルミ素材に対応した下地処理」とは、塗料を塗ってもめくれにくくする、密着を高める下準備のことです。 具体的には、プライマーを塗布することを指します。プライマーにはウォッシュプライマー、エポキシプライマーなどがあります。
ウォッシュプライマー
ウォッシュプライマーは金属の表面をわずかに腐食させて、塗料の食い付きを良くするものです。 塗料やサフェイサーとちがい、「化学反応させて食い付きを良くする薬品」といったイメージです。
使用上の注意点として、ウォッシュプライマーは厚塗りしないことです。
梅雨時などの湿度が高い場合は特に湿気をよび、ブラッシング(水分を含んだ状態)になりやすく、その効果が低下することがあるので注意が必要です。 湿度対策としては強制乾燥(ヒーター、ドライヤーなどで温度を上げ湿気をとばしてやること)するなどによって対処します。
そのほか、ウォッシュプライマーは外からの影響を受けやすいので、各商品の使用方法に従い、指定時間内にサフェーサーをオーバーコート(塗り重ね)しないといけません。
エポキシプライマー
エポキシプライマーはエポキシ樹脂を主とする、主剤と硬化剤(ハードナー)の2液タイプのプライマーです。 主剤と硬化剤を混ぜ合わせて使用します。耐化学性、防錆力、付着性、膜厚性に優れます。
また、エポキシプライマーサフェーサーと呼ばれているものは、名前の通り、サフェーサーの性能も兼ね備えています。 ですから塗布後、直接、上塗り塗料(いわゆる色)を塗ることが出来ます。
ウォッシュプライマーとエポキシプライマーは重ねてはいけない
ウォッシュプライマーとエポキシプライマーは重ねることができません。
ウォッシュプライマーは1液タイプの物が多く、ポリエステルパテやエポキシプライマー、パテの成分がウォッシュプライマーを溶解する場合があります。 そのためウォッシュプライマーの上にポリエステルパテやエポキシプライマー、パテなどは通常塗り重ねることはできません。 ウォッシュプライマーの上にはサフェーサーを塗布する必要があります。
どちらのプライマーを選択するか
新品の部品や、キズ・へこみなどが無くそのままの状態で塗装する場合はウォッシュプライマーが適しています。
他方、キズやへこみがあり、ポリエステルパテなどを使い、修正後に塗装したい場合はエポキシプライマーを使用することになります。
最後に
せっかくプライマーを使用しても、金属面に油分が残ってしまうと密着不良を起こします。脱脂は重要ですので怠ってはいけません。
大切なのは商品の使用方法を正しく守ることです。そのことが確実に密着力アップ、トラブル防止につながります。
(技術担当 久保田)
シッケンズ ウォッシュプライマー1KCF エアゾール400mL シッケンズ プライマーサフェーサーEPセット シッケンズ スポットシーラーダイレクトトゥーメタル エアゾール 400mL P3 EXプライマーサフェーサー 490g P3 下処理セット 日本ペイント ビニレックス110アクチブプライマー 1Kgセット(専用シンナー250mL付)