77GHzレーダー搭載車両のバンパー補修
77GHzレーダーとは
77GHzレーダーは、従来の24GHzレーダーよりも広い帯域幅を提供することによって、その性能を改善するものです。 77GHzレーダーは最大4GHzの掃引帯域幅を提供します。 これは24GHz NBで利用できる200MHzよりもずっと大きくなっています。 帯域幅が広がることにより測定距離の分解能と精度は約20倍の性能向上となります。 したがって、距離分解能は24GHzレーダの75cmに対して、77GHzシステムは4cmであり、互いに近接した複数の物体をより精密に検出できます。
また、現行のレーダーシステムは送信された信号と受信された信号との位相差を使用して、物体の相対速度を測定します。 送受信される波長が小さくなるほど、波長に比例してこの速度測定の分解能と精度は向上します。 したがって、センサが24GHzから77GHzに移行すると、速度測定の分解能は3倍向上します。
さらに、レーダーシステムに使用する周波数が高くなると、アプリケーションで使用するセンサを小さくできます。 77GHz信号の波長は24GHzシステムの1/3であるため、与えられた視野とゲインに対するアンテナパターンのサイズは、 X方向とY方向の両方で1/3になります。 つまり、77GHzアンテナに必要な合計面積は、同等の24GHzアンテナの面積の1/9になります。
レーダーシステムが提供する情報は、自動緊急ブレーキやアダプティブ・クルーズ・コントロールなど、 複数のアプリケーションに対応する自動運転支援システム(ADAS)で使用されています。 今後、レーダーシステムは77GHzレーダーの採用が主流になるのではないでしょうか。
補修塗装時の注意点
ブラインドスポットモニターを採用している、77GHzレーダーは樹脂バンパーを透過する際に塗膜の膜厚や顔料等の影響を受けやすい性質があります。 正常に透過しない場合、レーダーシステムが誤作動する可能性があります。 そのため補修塗装の際にはカーメーカー発行のボディー修理書の確認が必須です。 塗料配合は、77GHzレーダーに対応している塗料配合を使用する必要があります。 塗装回数などはTDSを参考にその指示を厳守してください。 LEXUSにはバンパーカバー内側にレーダー照射範囲を示すケガキ線があります。 このケガキ線内側のパテ埋めや樹脂修理はできません。バンパーカバー交換となります。
2022年11月現在の77GHzレーダー搭載車と採用塗色
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