エアーブラシのアクション別分類

アクションもエアブラシを選ぶ基準になります

エアブラシを選ぶ上でノズル口径に次いで重要となる「エアブラシのアクション」には様々な種類があり、 その手軽さやコントロールのしやすさなど、それぞれのアクションには個性があります。

大きな違いは操作法による「エアー（圧縮空気）」と「塗料の出方」の違いです。

まずエアブラシのアクションには２種類あり、「シングルアクション」と「ダブルアクション」の2種類に分類されます。 この「シングル」と「ダブル」の違いは、エアーと塗料が１つの動作で出るか、またはエアーと塗料を２段階の動作に分けているかの違いです。

ダブルアクションには上部にボタンの付いている「ボタンタイプ」、ピストルのような形状をしている「トリガータイプ」。 また、ボタンタイプには押して引く「プッシュプルタイプ」と、２段階に分けて引く「ダブルプルタイプ」の２種類に分けられます。

シングルアクションは、主にプラモデルなどの色付けなどによく使用されいている種類で、いわゆるエアブラシの入門機種です。構造はシンプルで、スプレー缶同様、ボタンを押すと塗剤とエアが同時に噴出されます。

欠点は微妙な表現ができないことで、いわゆる「半クラ」操作ができないことです。 エアブラシは、エアと塗料の量を微妙に調節をしながら描く技術を使いますが、シングルアクションは、スイッチのONとOFFしかないために、それが難しいと言えます。

ダブルアクションは、シングルアクションと違い、ボタン式、トリガー式を問わず、まずはエアが出始めて、さらに引くと徐々に塗料が出始めていき、戻すと少なくできます。 つまり、エア量と塗料量を2系統でコントロールでき、微妙な調節を行うことができます。

エアブラシアートでもっとも重要なグラデーションの微妙な調節を行うことができますが、シングルアクションに比べ、その操作方法は複雑になります。

それぞれの特徴を紹介します。

シングルアクションの上ボタン式プッシュタイプ

エアブラシの入門によく使用されるタイプです。缶スプレーに似た動作方式です。

初心者にも取扱いが簡単で、ボタンを押すとエアーと塗料が同時に噴射され（1）、ボタンを離すと噴射が止まります。扱いやすく、手入れなどもしやすい半面、他のアクションタイプのように、エアーと塗料の噴射を別々に操作できない為エアブラシ特有の微妙な噴射量のコントロールが難しいですが、一定量吹き付ける作業には向いています。

ダブルアクションの上ボタン式プッシュプルタイプ

最もポピュラーなタイプで、様々な場面で使用されます。２段階の操作でエアーと塗料を自由自在にコントロールできます。

操作は押しボタンを下に押すとエアーが噴射され（1）、そのまま後にボタンをスライドさせると、塗料が噴射します（2）。微妙なエアーと塗料のコントロールもでき、またペンのように持って操作することが容易です。また種類も豊富で選択肢も多いのがこのタイプです。

ダブルアクションのトリガータイプ

直感的に操作できる一般的なスプレーガンと同じ操作方式です。嗜好にもよりますが、描くよりも塗装に向いています。

プッシュプルタイプでは、常に「押しながら引く」という、「縦＋横」２方向の精密な操作が必要で、エアブラシに慣れていないと指の疲労などにより長時間の作業が困難でした。

しかし、トリガータイプのエアブラシは「引いてさらに引く」という１方向の簡単な操作でとても使いやすく、プッシュプルタイプのように２方向の動きをする際の手元のブレも軽減され指の疲れも少ないのが特徴です。またスプレーガンに慣れている人にも使いやすいタイプです。

ダブルアクションの上ボタン式ダブルプルタイプ

このタイプは種類が少ないです。上ボタン式プッシュプルタイプのようなフィット感とトリガータイプのような使いやすさを兼ね備えています。

見た目こそ上ボタン式プッシュプルタイプと同じですが、その動きが異なります。

「押して引く」上ボタン式プッシュプルタイプに対し、この上ボタン式ダブルプルタイプは、「引いてさらに引く」というアクションになります。つまり、動きはトリガータイプと同じで、いわばトリガータイプの引金が上部に付いた、…というイメージです。

操作はボタンを引くだけなので、手ブレや疲労が少なくなります。 また上ボタン式プッシュプルタイプと同様、エアブラシをペンのように持って操作することができます。

長時間の作業でも疲れにくく、描く作業にも適します。